皆様新年あけましておめでとうございます。
今年もぼちぼち更新していこうと思っております。
さて、本来一発目の投稿は「今年の抱負」とかを書くべきなんでしょうけれども、先延ばしして気づいたら年末になっていそうな私です。
そこで、今回は「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」という書籍を読んでみたところ、とても面白く、自分の生活にもすぐに変化が顕れたのでご紹介したいと思います。
ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか
「ヒトはなぜ先延ばししてしまうのか」では「先延ばし」の定義やメカニズム、先延ばしの原因の解説に始まり、診断テストを用いた先延ばし人間のカテゴライズ(3タイプ)、それぞれのタイプに最適な先延ばし癖克服方法など、内容が目白押しです。
私はこの本を読むことでで先延ばし癖が改善し、こうやってブログを執筆することができています笑
ざっと内容を見てもらうために、目次を拝借。
はじめに
第1章 先延ばし人間の実像
逃避行動と衝動の関係は
第2章 先延ばしの方程式
行動主義心理学が解き明かすタイプ別症状
第3章 さぼる脳のメカニズム
先延ばしの起源は9000年前だった。
第4章 現代社会は誘惑の巣窟
フェイスブック断ちが長続きしないわけ
第5章 私たちが失うもの、悔むもの
キャリアも財産も健康も危ない
第6章 企業と国家が払う代償
アメリカで1年間に生じる損失は10兆ドル
第7章 自信喪失と自信過剰の最適バランス
「どうせ失敗する」を克服する
第8章 やるべきことに価値を吹き込む
「課題が退屈」を克服する
第9章 現代の衝動と未来のゴールを管理する
「誘惑に勝てない」を克服する
第10章 さあ、先延ばしを克服しよう
必要なのは信じること
おわりに
今回はこの中から心に残った箇所をまとめます。
内容
「先延ばし」の定義
非合理な遅延のことを「先延ばし」という。
合理的な遅延は、ただの延期で、先延ばしとは呼ばない。
先延ばし方程式
モチベーションは以下の式で表せる。(期待×価値) / (衝動性×遅れ)
様々な実験で導出した。
- 頑張ってもうまくいかないと思えば「期待」が低く、モチベーションが低くなる。
- 退屈だと思えば「価値」が低く、モチベーションも低くなる。
- 課題の締切が遠ければ「遅れ」が大きく、モチベーションが低くなる。
- 衝動的に行動を起こしやすければ「衝動性」が高く、モチベーションが低くなる
今までは以下の期待効用理論が有名だった。期待×価値
しかしこれは、我々が合理的な意思決定を行うことを前提にしている。
人間は非合理な判断をする生き物なので、実態とそぐわない。
遅れの例
「今なら10,000円をただであげるよ。ただし、1週間待ってくれれば10,500円あげる。」と言われた時、とりあえず今10,000円を貰いたくなる。期待×価値
だけで考えると1週間後に10,500円貰うのが合理的だろうが、効果が期待される時期が1週間後と遅いので合理的な判断を行いにくい。
先延ばし人間の3タイプ
- 期待が薄いタイプ
- 価値が見出だせないタイプ
- 衝動性が高いタイプ
主にこの3つに分けられる。
診断テストがあり、私は衝動性が高いタイプだとわかった。
ただし、他の指数も結構高めだったので、全体的に先延ばしがちなのだと思う。
誘惑について
現代にはゲームやSNSなどの誘惑が溢れている。
不規則なタイミングで報酬が与えられると、中毒性が高いことがわかっている。
これを「変動スケジュール」という。
ゲームはこれを巧みに利用しているし、SNSも不定期にリアクションがもらえたりすることでどんどんと中毒になっていく。
ソフトウェアの開発など、日頃本当に取り組むべき課題は「固定スケジュール」であることが多く、対抗することが難しい。
「先延ばし」が社会に与えている影響
アメリカでは調査の結果、1日8時間の労働時間のうちに、平均2時間以上も先延ばしで時間を無駄にしていることがわかった。
年収から計算すると、アメリカ全体で12兆6412億ドルもの損失が発生しているとのこと。
先延ばしは政治の正解にも蔓延っており、法案の可決ペースは会期の最初の方は遅く、最後の方で加速する。
「衝動性」タイプの先延ばし癖克服方法
私は衝動性が高いタイプの先延ばし人間なので、この克服方法を中心にまとめる。
他のタイプの先延ばし癖克服方法もなかなか使えそうなものが多かったので、実際に買って読むことをおすすめする。
プレコミット戦略
あらかじめ誘惑を断ち切るための策を講じて実行しておく。
- どうしても重要な課題よりもゲームをプレイしてしまうのであれば、ゲーム機を隠してもらう等。
誘惑に屈した場合に不愉快なことが起こるように仕組むのも良い。
- ゲームをプレイしてしまったら、パートナーにゲームを捨ててもらうよう手配しておく等。
また、欲求が大きくなる前に、予めある程度の欲求を満たしておくことも効果的。
マズローの自己実現理論によると、原始的な欲求が満たされていないと、より高次の課題には関心が向かないという。
注意コントロール
- 誘惑のきっかけ(「キュー」という)を可能な限り取り除く
- 携帯の通知を切るなど
- 一度注意をそらされると再び集中するのに15分以上かかることがわかっている
- 誘惑にさらされたときは誘惑の対象を抽象化する
- 計画を立てるときに使われる脳の前頭前野は抽象的な物事を考えることが得意
- 刺激にストレートに反応する辺縁系の影響力をできるだけ弱める
- 「ケーキが食べたい」と思ったら「ケーキ」を「砂糖の塊」と抽象化する
ゴール設定
1つの大きな課題を細かいサブゴールに分ける。
適切なサブゴールのサイズはその人の衝動性の高さ等で変わってくる。
ジムや掃除などの課題は着手さえすれば難なくこなせるが、着手するまでが難しい。
そういう場合は超短期のミニゴールを設定するのが良い。
まずはジム用のウェアに着替える、掃除機のコンセントを差す、など。
本書を読んで自分に起こった変化
「先延ばしとは非合理な延期のことだ」
これがわかっただけでも結構自分の中では生活に変化が顕れました。
何かを延期しようとしたときに、「これは合理的な選択か?」ということを常に問うようになりました。
最近は自宅で仕事をしている私が妻の代わりに家事をやることが増えたのですが、洗濯とか皿洗いとかは面倒で先延ばししがちでした。
しかし、「後でやっても今やってもしんどさは変わらないし...」と思うようになってからは時間が空いたときに積極的にできるようになっています。
また、プレコミットメントや注意コントロールを適切に行うことによって、仕事部屋に入ってから仕事を開始できるまでの時間が1/5程度になっています。
リモートワークをしている人にとって、どれだけ早く最重要課題に取りかかれるか、というのはとても大事なので、優先度の低い課題ばかりこなしてしまう人や、そもそも漫画とか読んじゃう人は必読の一冊だと思います。
まとめ
なんとなくで誘惑を遠ざける程度のことは既に実践している人も多いかと思いますが、「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」を読んで科学に裏打ちされた先延ばし癖克服方法を徹底的に実践してみてはいかがでしょうか。