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2019年08月09日

「OKR本」を読んだ

読書

最近、生産効率を上げるための目標の立て方について議論することが多かったので、最近話題のOKRについて勉強するため、「OKR本」を読みました。

OKR(オーケーアール)

前職ではMBOを使って目標を管理していたのですが、いくつか問題点があったように思います。

  • 100%達成しなければ評価されない
    • 控えめの目標を立てがち
  • 単なる「ノルマ」になりがち

OKRはこれらの問題点を解決するのに、最適なシステムであるという認識です。

前提知識の整理

OKRとは?

OKRではObjectives and Key Resultsの略で、Oには定性的で人を鼓舞する内容(ビジョン)を1つ、KRにはOの内容を考慮した定量的な目標を3つほど設定します。 Oは四半期程度のタイムリミットを設けるのが良いそうです。
OKRはまず組織全体のものを決めてから、チーム、個人とブレークダウンして設定していきます。
OKRはチームや個人で完結できるものを設定します。
そうしないと、目標を達成出来なかった場合に他のチームや個人のせいにしてしまって問題の本質が見えなくなってしまいます。


MBOとの違い

MBOでは3ヶ月に1回程度の1on1で目標と現在のズレを把握するのが通例だと思いますが、スパンが長すぎて気づいたときには目標のズレが大きくなっていて修正不可能になることも多いと思います。
OKRでは週に1回のチェックインミーティングを設けることで、目標の風化を防ぐ仕組みが備わっています。
短いスパンで、OとOを元に設定したKRに必要なタスクを洗い出しておき、関係のないタスクは削ってチームで共有することでムダを省きます。
また、KRには達成できるかできないか半々の「ストレッチゴール」を設定します。
これもMBOと大きく違う点です。
仮に100%の目標を達成出来た場合は、目標が弱かった、ということになります。
次回以降はもっと厳しい目標を立てていくことになります。
単に「ノルマ」となりがちだったMBOの問題点はこれで解決できます。
「MBOは人事評価のためなのに対し、OKRは生産性の向上のためのものである」ということがこの1点によく現れていると思います。

所感

第一部ではOKRがどのような問題を解決するかを仮想の起業家が登場するストーリー仕立てでリアルに描いており、第二部ではOKRの基本的な事項から思想までが整理されています。

  • OKRの設定の思想
  • OKRの重要な点

以上の点が各所に繰り返し散りばめられており、理解しやすかったです。
その中でもOKRの大事な点は以下の2点だと思いました。

  • OKRを染み込ませるため、毎週ミーティングで追跡する
    • タスクのチェック、タスクが本当にOKRを達成するために役立っているか
  • Oにはわくわくするビジョンを、KRにはストレッチゴールを設定する

特に2つめのストレッチゴールを立てるというのは生産性を上げるためには必須だと思いました(難しですが)
OKRが失敗する大きな要因の1つに、100%達成できる楽すぎるゴールや、逆に1つも達成できない難しすぎるゴールを設定してしまうことであることが紹介されています。
特に最初はこれがうまく行かないために、筆者は「OKRは必ず1度は失敗する」と思っているようです。
また、OKRはみんなが「同じ方向を向くツール」とも捉えられそうです。
組織がOKRを設定することでわくわくするビジョン、定量的な目標が共有でき、それに向かってチームや個人がさらにOKRを設定できます。
私自身、私のビジョンが他の社員に共有できているか、不安ですが、OKRを使うと改善できるかもしれないという希望が湧きました。
今はまだ小さいチームなので、OKRを立てて実験しやすいですし、やってみようかなと思いました。